食堂が苦手

今でこそ平気で食堂で食事をするようになったが、昔は食堂の雰囲気がなじめず出来るだけ避けるようにしていた。

安いことは間違いないし、不味いというわけでもなかったのだが、みんながチャイムとともに一斉に集まって順序よく並んで、同じメニューのものを食べているという状況がどうしても許せなかった。

今でもこういう集団で同じことを一斉にするという状況を一歩引いて眺めるとなんだかその中に入ることに抵抗感を覚えるが、昔はそれが極端に現れて工場の外に出ることでホッとするという有様だった。

お昼を抜くことも何度もあった。

しかしそれも年とともに緩和され、とりあえずその風景に溶け込まないようにすることで、なんとか食事を取っている。

それは例えば、普通の定食はやめて独自の組み合わせを考えるとか、週に1度はパン食にするとか、後チャイムが鳴ってから5分位遅らせて食べに行くとか、そんな感じで毎日を過ごしている。

その他大勢の中の一人にならないためのささやかな抵抗といったところ。